お酒に強くなる・お酒が飲めるようになる話は本当?

お酒に強くなる・お酒が飲めるようになる話は本当?

「お酒をたくさん飲んでも戻せば大丈夫」とか、「お酒を飲み続けていれば必ず強くなる」など、お酒の飲み方や、強い弱いに関する説にはいろいろなものがあります。

中にはまことしやかに言われていても、科学的には根拠がなく、全く意味がないものもあります。

意味の方法でお酒に強くなろうとしても、強くなれないどころか、体を壊してしまうリスクも。

酔わないお酒の飲み方や、お酒に強くなる方法について、本当に科学的なエビデンスがあるのか検討してみました。

① お酒を後でもどしてしまえば大丈夫?

お酒を飲んでも、後でもどしてしまえば大丈夫だと思うかもしれません。

実際、酒飲みの方の中には、実際にたくさん飲んだ後、トイレに行って自分でもどしてしまうという人もいるようです。

確かに、一度胃の中に入れてしまったものを出してしまえば、アルコール分は吸収されずにすむような気もします。

ですが、実はこのやり方はほとんど効果がありません。

というのも、アルコールの吸収は非常に速く、飲んでから30分もすればほとんどが体内に吸収されてしまいます。

お酒を飲んですぐにもどすのであればともかく、後からトイレでもどすという人はたいてい何十分も経ってしまっていますよね。

無理に吐いてしまうと胃にも負担になりますし、やった本人も決して気持ちの良いものではありません。

お酒を飲んですぐでなければほとんど効果は期待できないので、これはやめておいた方が良いでしょう。

② 二日酔い対策サプリメントを飲むとお酒を飲めるようになる?

これは半分正解で半分外れです。

まず、アルコールを分解したときにできる毒物のアセトアルデヒドを分解する酵素(アルデヒド脱水素酵素2、ALDH2)を持っていない人は、そもそもお酒を飲むことができませんので、いくらサプリメントを摂取しても意味はありません。

アジア系人種の56%はALDH2が正常に機能していますが、40%は1/6程度しか機能しておらず、4%の人は全く機能していません。

この4%の人はいくら二日酔い対策サプリメントを飲んでも、お酒を飲めるようにはなりません。

ALDH2が正常の1/6しか機能しない40%の人は、二日酔い対策サプリメントを飲むことでアセトアルデヒドの代謝が上がり、少しはお酒を飲めるようになることがあります。

お酒が飲めるかどうかは基本的にアセトアルデヒドの代謝に関わっているので、サプリメントを飲むことで代謝を上げられれば飲める量は増えます。

ただし、ちゃんとしたエビデンスのあるサプリメント、つまり本当にアルデヒドの代謝が上がるサプリメントを飲むことが前提です。

ただし、お酒の飲みすぎは基本的には良くないことしかありません。

二日酔いを避けたりするために補助的に使うのであればともかく、お酒を飲む量を増やすためにサプリメントを使うのはオススメできません。

③ お酒を毎日飲んでいたら飲める量は増える?

これもALDH2がどれだけ働くかによります。

全くALDH2が働かない人は、そもそもアセトアルデヒドを代謝する能力がないので、どれだけお酒を飲んでも強くなることはありません。

それどころか体に大きな害があるので絶対に無理に飲まないようにしましょう。

ALDH2が働く人であれば、定期的に一定の量を飲めば、お酒を飲める量は少しは増えます。

④ ゆっくりとお酒を飲んでいれば飲む量は増える

これは事実です。

同じ量であったも、お酒をゆっくり飲んだ場合と、短期間で一気に飲んだ場合では、前者の方が酔いの回りが少なくなります。

ゆっくり飲んだ方が血液中のアセトアルデヒドの上がり方がマイルドになるため、毒物であるアセトアルデヒドの影響が少なくなります。

そのため、自身が飲める量よりも多少多かったとしても、長時間かけてゆっくりと飲めばそれほど酔わなかったりします。

逆に、一気にお酒を飲むと短期間で血液中のアセトアルデヒドが上がり、飲酒量によっては危険なことになります。

急激に増えたアセトアルデヒドは、心臓や呼吸器の働きに関わる脳神経に悪影響を及ぼすこともあります。

急性アルコール中毒による死者はこれによって生じています。

ですので、飲み過ぎないのが一番ですが、飲む量が多くなるときはちびちびとゆっくり飲むことが大切です。

もちろん、少量であっても一気飲みは危険ですので、必ず避けるようにしましょう。

まとめ―お酒は適量で飲むのがいちばん体に良い

お酒は適量であればそれほど健康に害はないと言われています。ですが、大量の飲酒を長期的に続けると健康を損なうことは、明確に証明されています。

ですので、結論を言えば、お酒に強くなる方法を試すようなことはやめた方がよいです。

あくまで自分の体質に応じて、適量で飲むのがいちばんです。

お酒を飲みすぎると体中の酸化ストレスが上がり、さまざまな病気の原因となってしまいます。