ウコンエキスのクルクミンに薬効がある可能性はわずか?

ウコンエキスのクルクミンに薬効がある可能性はわずか?

先週、二日酔い対策商品として定番の「ウコンの力」に含まれるクルクミンという成分に関して、話題となるニュースが出ました。

ミネソタ大学の研究チームが「ウコンに含まれるクルクミンが薬剤として役立つ可能性は極めて少ない」との研究結果を報告したのです。

クルクミンはウコンエキスの主成分。

日本では「ウコンの力」に代表されるように、ウコンとは言えば最も有名な二日酔い対策商品のひとつです。ウコンエキスは、主に「秋ウコン」から抽出され、肝臓に良いとされてきました。

その主成分であるクルクミンが、薬効として利用できる可能性が極めて低いと報告されたことは、かなりの衝撃ニュースではないでしょうか。

クルクミンに関するミネソタ大学の研究報告の概略

研究対象はウコンではなくクルクミン

まず、混同してしまう可能性があるのですが、ミネソタ大学が研究を行った対象はクルクミンです。

クルクミンは確かにウコンの主成分ですが、「薬剤の開発に役立つ可能性は極めて少ない」と示唆されたのはあくまでクルクミンであって、ウコン自体ではないことに注意してください。

「同じじゃないか!」と思う方もいるかもしれませんが、こういった試験ではこの違いは重要です。

このニュースを報じたサイトの中にも、当初ウコンとクルクミンを混同しているものもありました。

研究の概略

さて、今回の研究報告の概略をまとめると、次のようになります。

  • クルクミンは最近、PAINS(広範な試験法に干渉する化合物)の候補物質に分類された
  • クルクミンはウコンの有効成分とされているが、薬としてのその効果は医学的に証明されていない
  • クルクミンは実際には作用していないのに、あたかも作用したかのような結果(False Hits)をもたらす効果がある
  • クルクミンが効いたと感じるのはプラセボ効果である可能性がある

以下、詳しく見てみましょう。

クルクミンの効果は医学的に証明されていない

クルクミンに生理作用はあるが、体内には吸収されにくい?

クルクミンの生理的な作用としては、抗腫瘍作用や抗酸化作用、抗炎症作用や抗アミロイド作用が知られています(アミロイドとは神経疾患などの原因となる物質)。

また、二日酔い対策商品の成分として使われているように、肝臓に良いとする説も数多く存在しています。

しかし、その一方で、食事として摂取した場合にクルクミンはほとんど吸収されないと示唆する研究もあり、クルクミンの生理作用が実際に本当であったとしても、吸収されなければ薬剤としては意味がないという意見もあります。

クルクミンの有効性を示唆する論文はたくさん出ていますが、以上のような背景から、クルクミンの薬効は医学的には明確に証明されていないものとされています。

クルクミンの作用はプラセボ効果?

今回、ミネソタ大学の研究チームが発表した報告では、クルクミンがPAINSの候補物質となったことを記述しています。

PAINSとは「広範な試験法に干渉する化合物」のことで、要は実際に作用しないにも関わらず、作用したかのような結果をもたらす物質のことです。

研究報告では、このクルクミンの性質が「複数の疾患に対するクルクミノイドの120以上の臨床試験に影響を与えた」、「クルクミンの二重盲検プラセボ対照試験で成功したものはない」とし、クルクミンの薬剤としての作用に否定的な見解を示しています。

そして、クルクミンは「不安定かつ科学的に反応性が高く、体内に吸収できない化合物であるため、薬剤の開発に役立つ可能性は極めて少ない」と結論しています。

研究チームによれば、クルクミンを摂取して何らかの効果があったと感じるのは、「プラセボ効果ではないか」とのこと。

プラセボ効果は、その薬には実際には何も効果がないにも関わらず、これは効くと信じて飲むと、改善が見られる効果があることです。

クルクミンが肝臓に良いと信じて摂取すれば、実際に肝臓が良くなったり、二日酔いが緩和されたと感じることですね。

この現象自体はさまざまな場合に起きていますが、薬剤の有効性を評価する際には可能な限りプラセボ効果ではない効果があることを実証することが求められます。

クルクミンを摂取して得られた効果がすべてプラセボ効果であったのだとすれば、クルクミンに薬剤としての効果はないことになります。