重症アルコール性肝炎って何?その原因は?

重症アルコール性肝炎って何?その原因は?

2018年11月28日に有名なコラムニストの勝谷誠彦氏が57歳という若さで亡くなりました。特に関西では人気のあるテレビ番組に良く出演していたので、衝撃を受けた方も少なくないと思います。

勝谷氏が亡くなった原因は肝不全。亡くなる3ヶ月前の8月には、重症アルコール性肝炎で入院していたようです。勝谷氏はお酒好きで知られており、若いころから痛飲を繰り返していたとのこと。結果的に、お酒が原因で50代という若さで亡くなってしまいました。

今回は、この重症アルコール性肝炎について詳しく解説します。

重症型アルコール性肝炎って何?

アルコール性肝炎とは、その名前のとおりアルコールが原因となって起こる肝炎です。

肝臓の働きは複数あります。

ひとつはタンパク質の合成と栄養の貯蔵。人間の体はさまざまなタンパク質が働くことで機能しますが、肝臓は多くのタンパク質を作っています。

ふたつめは、食べ物の消化に不可欠な胆汁の合成です。

そして、三つ目が有害物質の分解です。アルコールももちろん肝臓で分解されます。

アルコールのほとんどは肝臓で処理されるため、大量の飲酒を繰り返していると肝臓に大きな負担がかかります。その結果、アルコール性脂肪肝やアルコール性肝線維症、アルコール性肝硬変、そしてアルコール性肝がんなど、さまざまな病気が引き起こされます。

先に書いたとおり、肝臓の働きはアルコールの分解だけではありません。

ですが、日常的に大量のアルコールを摂取していると、肝臓はアルコールの分解に多くのエネルギーを使うことになってしまいます。

その結果、本来肝臓が果たさなければいけない働きが果たせなくなってしまいます。

例えば、肝臓は脂肪の分解も行っていますが、アルコール分解のせいで脂肪を十分に分解できなくなると、肝臓に脂肪が貯まるようになってしまいます。これが脂肪肝です。

さらに肝臓に大きな負荷がかかり続けると、肝臓の細胞が壊されてしまいます。軽症であれば、壊された細胞は再生しますが、それでも大量の飲酒などで肝臓に負荷をかけ続けていると、やがて壊れた細胞が元に戻らなくなります。

肝炎とは、壊れた細胞の多くが元に戻らなくなった状態です。

その後は、肝臓の細胞が固くなってしまう肝硬変や、細胞ががん化してしまう肝がんに進行します。

重症型アルコール性肝炎は、すでに週間的な大量の飲酒で肝臓を悪くしているのに飲酒を繰り返していると起こるもので、多くの場合は1ヶ月以内に死亡してしまうという非常に恐ろしい病気です。

アルコール中毒になるとアルコール性疾患になりやすい

いくらお酒好きとは言え、アルコール性肝炎を起こしてもなお飲み続けるというのは尋常ではありませんね。

普通であれば、体調が悪くなるまでお酒を飲むと、しばらくは飲みたくないと思うはずです。

実は、こんな状態にまでなってしまうのはアルコール中毒の場合が多いようです。

アルコール中毒の状態に陥ってしまうと、体には悪いと分かっていてもお酒をたくさん飲むことを辞められなくなってしまいます。

アルコール中毒の診断基準はいくつかありますが、例えば次の6つの基準のうち3つ以上に該当する場合はアルコール中毒と診断されます。

① お酒を飲めない状況でも強い飲酒欲求を感じたことがある。
② 自分の意思に反して、お酒を飲み始め、予定より長い時間飲み続けたことがある。あるいは予定よりたくさん飲んでしまったことがある。
③ お酒の飲む量を減らしたり、やめたりするとき、手が震える、汗をかく、眠れない、不安になるなどの症状がでたことがある。
④ 飲酒を続けることで、お酒に強くなった、あるいは、高揚感を得るのに必要なお酒の量が増えた。
⑤ 飲酒のために仕事、付き合い、趣味、スポーツなどの大切なことをあきらめたり、大幅に減らしたりした。
⑥ お酒の飲みすぎによる身体や心の病気がありながら、また、それがお酒の飲みすぎのせいだと知りながら、それでもお酒を飲み続けた。
(参考サイト:http://alcoholic-navi.jp/understand/condition/diagnosis/)

アルコール中毒の治療は大変ですが、決して治らない病気ではありません。

放置していると脂肪肝や肝炎、肝硬変などのさまざまなアルコール性肝疾患の原因となってしまうため、命に関わります。

二日酔いや悪酔いになってしまうと体調が悪く、しんどい思いをします。ですが、日常的に悪酔いや二日酔いになっている状態が当たり前になると、アルコール中毒に陥ってしまう危険性が高まります。

すでに大量の飲酒が当然になってしまうと中々元に戻すのは大変です。

ですので、まだたくさんのお酒を飲むのが当たり前になっていない方は、いつの間にか飲酒量が増えてしまわないように気を付けるように心がけましょう。

そのためには、普段から肝臓に負担のかからないようなお酒の飲み方を心がけることが大切です。空腹でお酒を飲まない、ちゃんぽんをしない、飲んでいる最中は適度に水分を補給する、アミノ酸やビタミン類系のサプリメントを飲むなど、できることはいろいろあります。

アルコール中毒やアルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎になっても治すことはできます。ですが、そこまでなってしまうと立ち直るのは大変です。

そのような状態に陥らないのが一番なのは言うまでもありません。